11月1日時点でのプログラム内容です。
座長、講師都合等により、内容が変更する可能性がありますのでご了承ください。

<プログラム概要>

シンポジウム1

「アルコール依存症の切れ目のない支援を考える」

本シンポジウムでは、自治体の対策である「アルコール健康障害対策推進計画」を策定する立場の行政機関職員、身体科医師としてアルコール専門医療機関での診療に尽力されている医師、自助グループで活躍されている当事者、地域連携に精力的に取り組まれているソーシャルワーカーをシンポジストに迎え、改めて「切れ目のない支援」について考えたい。シンポジストからの報告やディスカッションを通して、「切れ目のない支援」への理解が深まり、参加者が自らの地域や立場で取り組める「切れ目のない支援」へのヒントが見つかることを期待したい。

シンポジウム2

「薬物依存のある人の社会復帰支援における地域連携」

本シンポジウムでは茨城県で薬物依存問題に取り組んでこられた医療、行政、司法、当事者団体(ダルク)の方から、これまでの地域連携の工夫や課題についてお話しいただき、関東の他地域の方にも加わっていただき、これからどのようにより良い連携を築いていくことができるかを話し合いたいと考えている。

【次のような方に視聴をおススメします!】

◆薬物依存のある人の回復支援の現状や課題に関心のある方

◆違法性薬物使用に対する欧米で用いられているハーム・リダクションの視点を日本でどう生かすかに関心をお持ちの方

◆教育機関などで青少年の薬物使用を防止することに関わっている方

◆一般の方でも、若者が薬物使用する気持ちや状況あるいはその防止に関心のある方。

薬物依存症の当事者やご家族、依存症に関わられている方、一般の方など様々な立場の方にご参加いただきたいと考えている。

シンポジウム3

「自助グループをめぐる看護の実際」

本シンポジウムは、患者‐自助グループ‐看護師の関係について、中堅看護師の視点から見つめ直すことを一つの目的としている。

病棟のベテラン看護師からの教えを携えて、日常の看護業務に勤しむ中堅看護師。各病院から推薦された看護師達が、先輩達から引き継いだ知恵と日々の体験を、それぞれのテーマを軸に整えて発表する。


教育講演

「明日から使えるアルコールの基本知識」

アルコールに関連する諸問題は、世界でもっともケアが不十分な領域とされ、これに対し、世界保健機関は世界戦略推進している。その後押しを受け、日本では2014年にアルコール健康障害対策基本法が施行された。同法による施策を行う上で人材育成が必須であるが、現状、保健・医療・福祉専門職のアルコール関連問題およびその連携に関する卒前/卒後研修の不足が指摘されている。本講演は人材育成に資するため、アルコール関連問題の基本的かつ明日からでも活用できる実践的知識を提供する。


ランチョンセミナー1

「地域や職域における減酒治療介入の手法について」

令和4年4月改正道路交通法施行規則により一定以上の自動車を保有する事業所では運転者の酒気帯びの有無を目視確認することが求められたことから、産業保健、地域保健における飲酒運転防止対策、お酒との正しい付き合い方などのリテラシーの向上、リスク者への対応に役立つプログラムを紹介したい。

ランチョンセミナー2

「断酒へのガイド」

減酒治療が普及し、より多くのアルコール使用障害を抱える方が相談しやすい状況になった。治療者は、治療中断を防ぎ、飲酒日記やナルメフェンを活用し、あるいは、その他の困りごとを中心の話題に据え、治療関係を維持することができる。しかし、減酒治療に取り組みながらも、そこから先に進まず、患者も治療者も停滞感を持つ状況をしばしば経験する。治療者自身がその停滞感に焦って、患者に断酒を強く勧め過ぎた場合、再度、治療中断のリスクが高まる状況となる。

本セミナーでは、治療者がどのようにその停滞感に対処し、患者を断酒へガイドしていくのが良いのかについて、筆者なりの経験をまとめてみようと思う。


ワークショップ1

「高齢者と依存症~地域における高齢者の飲酒問題を中心として~」

高齢者は、加齢に伴い心身機能の問題、経済的問題、社会との接点の希薄、さらに家族関係等の問題を抱えてきます。一方で依存症の問題は、孤立との関係も深く、最近では飲酒のみならず、ギャンブル、盗癖なども顕在化している現状があります。65歳以上の高齢者は、主に地域包括支援センターが窓口になっており、多くの相談が寄せられ、内容も深刻で複雑な要素が絡み合っており、支援者はその対応に苦慮しております。 このワークショップでは、各演者から飲酒問題を持っている高齢者の事例を報告していただき、地域で生活している飲酒問題を抱える高齢者への対応とその課題を明らかにし、高齢者の飲酒問題の回復について議論を深めたいと考えております。

ワークショップ2

「アルコール依存を抱えるお母さん、お父さんとその子どもの支援」

アルコール問題が顕在化、重症化する年代は30歳代~40歳代と言われ、子育てをしながら、アルコール依存からの回復を目指す方は少なくありません。しかし、これまで依存症を抱えるお母さん・お父さんや、そのこどもの支援については注目されてきませんでした。このワークショップでは、依存症を抱えるお母さん、お父さん、そしてその子どもに向けた冊子や動画を紹介し、当事者(子育て経験のあるアルコール依存症回復者)のお話しを伺いながら、当事者に寄り添った支援の在り方について学びます!どなたでも理解しやすい内容で構成しています。